セロー250買った

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免許取って10年もしない間にバイク14台も買って、もう買うのいいやと思ってたところに店に中古が流れてきた

2014年式のFI車(DG17J)で走行8,000kmちょいで屋内保管
いわゆるバリモン、買わない理由がなかった

なぜなら最初のバイクにするのに本気で迷ってた車種だったし、オフローダーの肩肘張らずどこへでも行ける感じは憧れもあったし、225と比べて高速性能にも余裕が出たとも聞いてたから

実際かなり満足している、225系にも乗車経験があるので余計にそう思う

バイクは合計3台持ちにはなったが、もういけるとこまでいってやろう

 

【外観】
225よりは明らかにデカいが、それでもコンパクトで取り回しの良さは健在
山をエンデューロやトライアル的に楽しみたいならなるべく小さく軽いほうがいいのだろうが、オンロードもトータルに走るならこれが丁度良い大きさだと思う
小径の丸目ヘッドライトと漏斗型のバイザーの組み合わせはモダンながらレトロ感もあってデザインの妙を感じる
Fフェンダーは前後で分割され、前側だけがアップになってるのもセクシー
もちろん本気でオフやるなら後ろもアップにしないと泥詰まったりしてよろしくないのだろうが、そこは後述するようにオンロード性能を大きく向上させた250のスタンスを示すものでもあるのかもね
デザイン重視のヤマハらしく全体的に格好いいと思う

’18年モデル以降は、近年のエンデューロマシンの流行りだろう剣みたく尖ったテールカウルが採用されてもっと格好良くなってるので羨ましいところ

 

【ポジション】
幅広でアップライトなハンドルは握った際の違和感がどこにもなく、ずっと乗ってたくなるほどナチュラ
ステップに足を載せると膝が直角気味に曲がり、これはオフ車としてはきつい曲がりの部類だそうだが世の中にはもっと膝曲がるポジションのバイクはごまんとあるので気にならないし実際楽

ただ、上体が垂直になるバイクのこれは半ば宿命で、腰が圧迫されるので腰痛持ちの人はこまめに休憩取らないときついかも
足つきは股下75cmでベタベタだったが、これはローダウンリンクをあらかじめ入れてあったのもあるので純正との比較もしてみたいところ、そんなに高い部品でもないようだし

 

【エンジン】
これが本当に、本当に250化+FIとしたことの一番のエポック
225だと90km/hも出すとフン詰まってそれ以上の伸びは非常に厳しいものがあるのだが、250はその領域でまだまだ余裕あることに感動すら覚えた
最高速は130km/hくらい(フィクション)で、これをベースが昭和まで遡る決して新しいとはいえない空冷シングルで達成してるのは本当に凄いとしか言い様がない
パラツインのオンロードモデルであるVスト250の135km/h(フィクション)に迫る高速性能で、Vストより50kgも軽くオフロードも走れて、万能バイクであることを強く印象づける(もちろんオン性能とロンツーの疲労感の少なさだけならVストが上、そこはあのデカ重い車体が効く場面)
この速度の伸び感と、1速スーパーローを思い切って廃止したことにより相当オンロード寄りのキャラに生まれ変わっている
具体的には225時代にあった、交差点の旋回で1速で吹けすぎて途中で2速に入れるような乗り方をしなくてよくなった
振動も225譲りでどこかふわっとしてて思った程不快でもなく(ずっと乗ってると手は痺れるけど)、シングル特有の鼓動として味わえるレベル

ただ高速走行時の不安定さはやはりあって、具体的には100km/h以上でハンドルが8の字を書くように振れだす
構造上どうしようもない点ではあると思う

あと驚いたのが低速の意外と力強い加速感で、おそらくは1速のギア比がショートめなのもあり、18psしかない空冷シングルの牧歌的でかったるそうなイメージを裏切るほど出足からスカッと加速していき、なかなか痛快な蹴り出され感がある
それこそゼロ発進でラフなクラッチミートと共に不用意にワイドオープンすると前輪が浮くほど(これはあえてウイリーさせやすくして、山の中で障害物を乗り越えたりするためにそういう味付けにしてるのだろう)
大型についていくような場面のないソロツーなどでは正に必要にして十分な性能といえ、街乗りの範疇ではパワー面でのストレスは全く感じない

同じく足るを知る系の万能バイクで割と好きだったジクサー150は、高回転までスーッと伸びるのはいいがこのわかりやすいパワフルさが無かったのが不満といえば不満ではあったので、良いバイクの条件のひとつだと個人的に思っている「実用とファンライドの共存」がセロー250では非常に感じられたし、実際乗っててすごく楽しい

 

【ハンドリング】
コンパクトながらやたらと切れ込んだりしないF21インチの粘り感も225から継承されてて安心感ある
切れ角もデカく、Uターンも非常にやりやすい
フロントが大きい前後異型タイヤ特有のリアステアもほとんど感じられず、癖のないハンドリングだと思う
ただリーンする際にリアタイヤのブロックがぐにょっと歪んで車体がちょっとぐらつくような感じはある
またそのポジションのためか、高速走行中に横風で若干とっちらかる感じもある
けど、全体的にはズバズバ容易には曲がらない安定志向かな

 

【サス】
オフ車なのでふわふわ柔らかく人が乗ると結構沈むが、カーブでも意外な程しっかり粘ってくれる
この柔らかさと割と厚めなシートのおかげで、普通に乗ってる分には乗り心地は良好
ただ、たまに底が付くことがあり連続したギャップがあるようなところではたまにガツンと衝撃がくる

 

【ブレーキ】
必要十分な効き目
ABSもないし接地面積の少ないタイヤなので効き目に懐疑的ではあったけど、昨今のロードモデルと比較してもそこまで劣る印象もない
ロックさせるには割と思い切りブレーキングしないといけないんじゃないか

 

【ユーティリティ】
重量増を嫌ったためだろう小さなメーターの中に速度、オド、トリップ、時計が同時表示されてて見易いし、アイスブルーのバックライトも目に優しい
燃料計こそないがFI車なので燃料警告灯があり、タンクも10Lと大きめなうえ下道だけなら30km/Lを割ることはまずない燃費のため、250kmくらいまでならガス欠を意識しなくてもよく精神衛生上好ましい(同社のTWやブロンコなど、タンクの小さいオフ系バイクの乗車経験があると余計そう思える)
ヘルメットホルダがきちんとついてるのも嬉しい、これは安普請なスズキ車ばかり乗っててホルダがないのが当たり前だと思ってただけに改めて便利さを実感したもの
なのでユーティリティ関係は、そのへんを普通に乗る分には必要十分
難点はオフ車らしく全く存在しない収納程度だが、それは適当にGIVIでも付けといて下さい

 

【まとめ】
オン・オフどちらにも飛び抜けた走行性能があるわけではなさそうだが、それゆえ用途や走る道を選ばない真の万能バイクと言えるんじゃないかな
最近流行のアドベンチャー系を凌いで本当の意味でバーサタイルにどこでも乗れる
この度の生産中止が惜しまれるしスズキ党としてはこれにSマークがついてないのが悔しいとすら思う

とにかく色々な面で本当に丁度よくできてるし、バイクとして突出したものは正直言ってないんだけどそれ故に懐の広さを感じて、乗るほどにこれでいいと思える
これがヤマハの傑作機であることに異論を挟む余地はないです

なので、現在3台も持ってるなかでどれか1台残せと言われたら、多分このセローにする