M4パトリオット買った

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 まず結論を言うと、サバゲー初心者はM4パトリオットを最初の銃にしとけば失敗が少ないと思う。

 

www.yskfreelance.com↑言いたいことはだいたいこのサイトで既に説明されているのだが、ここでは実体験も交えた中でパトリオットを選ぶメリットを書きたいと思う。

 

【前置き(読み飛ばしてOK)】

 ある時ふと、サバゲーを始めたいと思い立った。
 理由は何だっていいが、とにかく全ての経験者が最初はそうだったように、俺もサバゲーがしたいと唐突に思うようになった。

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 そしてこれはサバゲー初心者が必ず通る悩みのひとつであるが、「結局最初の一挺は何にすればいいのか?」というテーマに……実は俺はほとんど突き当たらなかった。
 中学生の頃に『フルメタル・ジャケット』を観たからだった。
 信頼性のある東京マルイのM14、これ以外の選択肢はほぼなかった。
 M14はデカくて重くてサバゲーには向かないという声を方々で聞いていたし、つまり小さくて軽くてサバゲー向きの銃もあるのだろうかという疑問もあるにはあったが、思春期の頃の影響力は何よりも優先された。
 上述の思いつきから程なくして、俺の手にはM14が握られていた。

 サバゲー向きの銃とは、という小さな疑問からフルサイズのノーマルM14ではなく、銃身を詰めてアクセサリレールを搭載したSOCOMの方にはしたが、夢の銃とも言えるそれを手に取り遂に俺はデビューを果たした。
 やはりその重さがズッシリくるM14は、それを携えてダッシュすると早々に息切れして死にそうになったりはしたが、ペース配分さえわかればM14の巨躯は、こと屋外フィールド(サバイバルゲームフィールドbattle、千葉県千葉市花見川区)においては実はそれほどデメリットにはならないことに気づいた。遮蔽物が少なく広いからである。
 銃の性能にもかなり助けられて次々ヒットを取り(その5倍は取られたが)、「色々言われるけどやっぱ自分の好きな銃でいいんじゃないか!」という確信と心地よい疲労感を得て、ゲームを終えてその日は家路に着いた。

 が、そうして得たそれは早々に裏切られることとなった。
 知人の誘いもあり勢いに乗って後日参加した人生2回目のサバゲーは、同じ屋外フィールドながら塹壕や迷路地帯(CQBフィールド)が組まれたりとテクニカルな場所(東京サバゲパーク、千葉県印西市)で、その塹壕地帯で俺は真実を知ることとなった。
 両脇を土嚢積みした狭隘な通路を、短く詰めたカラシニコフを構えて先行した知人がやられた。接敵した。
 応戦しなければ! 俺は俺の夢の象徴を構えようとした。
 だが、デカくて重いM14はどうしたって射撃姿勢を取るまでのタイムラグもデカい。ましてや遮蔽物の影で敵の姿は見えない。ラグいM14の長い銃身を、土嚢をかわしてにょっきり延ばしてる間に俺も撃たれるかもしれない。銃身をどこかにぶつけてまごついてる隙を突かれるかもしれない。そう思うと構えられなかった。
 そう、銃を”構えられなかった”。”構えづらい”のではなく。結局敵をやり過ごすまで何もできず、他のチームメイトが敵を倒してくれるのを待つしかない中で、「デカい銃は狭い場所で不利なのではなく、そもそも扱えない」という残酷な真実に突き当たった。ちょっと狭いだけの屋外でこの有様なら、屋内フィールドはもっと厳しい戦いを強いられるだろうとも。
 撃てないフラストレーションと情けなさ。それが思春期の夢のなれの果てというのが余計に感情を揺さぶる。どうせ遊ぶならいろんなとこで遊びたいし、ではどのフィールドでもそこそこ戦えそうなバーサタイルな銃とは何なのか?
 その日から俺も「結局銃は何が良いのか」という、サバゲー初心者特有の自問が始まった。

 

 

パトリオットのメリット】

1)小さくて疲れない
 とにかくこれがパトリオットにした最大の理由。
 実際はもっと小さい銃もあるが、後述する他の理由も総合した上でパトリオットにした。
 M14の半分程しかない重さは開幕ダッシュをキメても息切れしづらいし、何より一日通してサバゲーをした後でももうちょいゲームしたいと思わせる程の余力が残っていたことに驚いた。
 小さくて軽い銃はまず体力をあまり消耗しない。学生時代ならいざ知らず、これは仕事の合間を縫ってサバゲーに興じ、敵チームのみならず翌日のスケジュールや自身の体力の衰えとも戦わなければならない社会人ゲーマーにとって大きなメリットだろう。

 そして、懸念されていた狭隘箇所での取り回しもM14の比でない程にやりやすい。サバパーでいえばAフィールドのCQBエリア、Bフィールドの塹壕地や橋の下の隙間、縦置きされた昇降可能なボックスカルバートなど、長い銃を持っていると躊躇してしまうような場所にも難なく入り込めるし、遮蔽物に隠れながらの撃ち合いも十分に可能だった。
 ただ、やってみて解ったことだがそうした場所での撃ち合いは膠着状態に陥りやすく、単にコンパクトな銃で動き回れるというだけではヒットを取ることはできなかった(銃以外の部分で、CQBで勝つための技術が存在するということだろう)。そういう状況下で戦いたいかどうかは結局は各人の好みだが、場所を選ばない強さがパトリオットには間違いなくある。
 もっと言えば、小さい銃は可搬性に優れるため荷物も小さくできてめんどくさくないという点もある。

2)連射速度が速い
 そもそも電動ガンはどれも連射できるのだし、ハイサイクルの高い連射速度についても最初は懐疑的に思っていたのだが、使ってみてこれは多大なアドバンテージだと感じた。
 連射した弾が筋状に、あるいは団塊になって相手に降り注ぐのはそれだけで格段にヒットが取りやすくなる。特にこれを櫓などの高所からキメるのは、撃つ側は快感だし撃たれる側は相当な驚異に映るだろう。
 また、連射速度が速いということは1発1発の発射サイクルが短いということなのでセミオートのレスポンスの良さにも効いてくる。サバゲー系ブログのインプレなどでもあまり触れる人がいないのが不思議なのだが、ゲームではフルオートの連射速度以上にセミオートのレスポンスが重要だと感じる。あまりに電動有利になりすぎないようにするためだろうが、定例会の中では結構な頻度でセミオート限定戦に切り替わり、フルオートでバリバリ撃てる場面は実はそれほど多いわけではない。
 また、フィールドのレギュレーションによってはハイサイクルを禁止している所もあるが、そういう場合でもセミ限定ならOKという場合が多い。
 そうした各種制約の中でも撃ち負けないためにもセミオートのレスポンスは良いに越したことはないし、いわゆる電子トリガーカスタムもそのあたりの要請を受けて生まれたものなのかもしれない。

3)価格が安い
 バッテリー類込みで実売32,000円程度。これが同じ店で買ったM14だと40,000円を超えた。
 遊ぶのに敷居は低いに越したことはない。差金で防具やアクセサリ等も揃えられる。
 また、フィールド以外で銃を剥き身で携えるのは絶対やっちゃいけないところ、全長で50cmを切る圧倒的な小ささ(通常、この手のライフルは60〜70cmはある)は、リュックサックなどに放り込んで持ち運べるというメリットもある。つまり、ガンケースをわざわざ追加で買わなくてもいいという点でも安上がりといえる。

 


パトリオットのメリットだと思われたが、実際はそうでもない点】

1)M4系でカスタムパーツが豊富だが、実はそれほど必要なカスタムはない
 そのカスタムパーツの豊富さ故、M4と1911の沼は深いと言われる。
 パトリオットのメリットとして上述した部分は様々なインプレで既に触れられている上、大体は他のハイサイクル電動でも代替できる部分であるし、ならもっと小さいMP5Kや、最初から500連マガジンが付属するG3SASの方がいいのではと思っていた。
 でもパトリオットにしたのは、M4ベースな拡張性の高さに期待してのことだった。
 ドットサイトはもちろんのこと、長い消炎器をLayLaxのマズルガードに換えてさらに銃身長を詰め、VFCのスライドストックと適当なアングルグリップを付けて精密射撃もできるようにした。完璧だと思った。
 ドットサイトだけあれば十分だった。
 小ささ軽さを活かして突撃するキャラの銃だし、ストックを延ばして精密に狙う機会があまりなかった。
 それに上述のカスタムは全部レールやネジにポン付けしただけでカスタムというより単にアクセサリを付けただけに過ぎない。割とどの銃でもできて、M4系に特有のメリットというわけでもない。
 ただ、元々使いやすくて最小限のカスタムで済むという意味では経済的とも言える。

2)M4系で使用人口が多くパーツ類の貸し借りがしやすいが、ぼっちゲーマーにはあまり関係ない
 悲しいが実際はそんなものです。
 マガジン等が足りなくなったらフィールドの売店で買い足しやすいのはメリットかもしれない。

3)実はそれほど小さいわけではない
 パトリオットを買ってみて箱から出したときの第一印象は「思った程小さくないな……」というものだった。カービンベースだしそりゃそうである。
 実際、先述のMP5Kとか、イングラムスコーピオンみたいな電動SMGなどもっと小さい銃もある。
 多分これはメーカー自らピストルスタイルと謳ったり、業界人のブログみたいな提灯記事でも「拳銃感覚で扱える」みたいな言葉が踊ってたり、小ささばかりが過大に喧伝された結果のような気がしないでもない。
 それでも軽くて疲れない銃なのは間違いないしハイサイクルだし、想像だがあまりにも銃身を詰めすぎると今度はある程度の飛距離が求められる野戦などで弾が飛ばず不利になるかもしれない。万能に使うならある程度の大きさは残すべきだと感じる。

 


パトリオットのデメリット】

1)飛距離と命中精度はM14に及ばない
 もうこれは端から予見されていたどうしようもないデメリットで、パトリオットのデビュー戦前の試射で詳細が判明した。
 30メートル先のマンターゲットに、M14なら弾が真っ直ぐに飛んでヒットするのだがパトリオットはホップの揚力がかかってから落ちる、あの山なりの弾道を多少なりとも意識する必要がある。
 銃身長は最低限確保されておりそれでも飛距離はあるし、パトリオットは軽さを活かして攻める銃だが、一方ではそうせざるを得ない、これが実情ともいえる。
 飛距離が短いなら接近すればいい、と書いてあるブログもあるしヒットを取られる危険もあろうが実際そうするしかない部分で、ある意味死んで覚えるサバゲーの硬派な部分かもしれない。

2)動きやすすぎてプレイがラフになりやすい
 これも実際に使ってみて初めて解ったことで、ガツガツ攻める銃ゆえに、大体の場所で禁止されているだろう「相打ち覚悟の無謀な突撃」に繋がりやすい。また、フィールドのどこへでも行けるがゆえに慎重さが抜け落ちて、相手の射線上にノコノコと出て行ってしまうことにもなりかねない。
 このふたつは実際にやらかした部分でもあり、クールに立ち回りを勉強するしかない所だが、一方的にヒットを取るためにはコツが要るようだ。

3)付属の190連マガジンは弾切れしやすい
 フルオート戦で1回弾切れをやらかした。軽さ重視の190連だがハイサイクルなのもあり装弾数が心許ないのは確かで、売店で買い足した300連にしたら1ゲーム保つようになった。
 弾の消費は結局は当人のプレイスタイルに依る部分だし、軽さで言えばパトリオット有利ではあるが、この点だけは最初から500連が付属するG3SASと悩む所。

 


【結局どうしたのか】

 M14だとどうしても難しい屋内戦など限定でパトリオットを使うことにした。
 パトリオットによって改めて、自分の好みはM14のような銃身が長くて良く飛び、重くて場所も選ぶが一方的にヒットを取りやすい銃にあるということを理解した。後M14は曲銃床のフォルムがやはり大好きだ。
 軽くて有効射程が短い銃の立ち回りが理解できれば、パトリオットメインもありうるかもしれない。

 


【それでもパトリオットを最初の一丁に薦める理由】

 最初はどういうプレイスタイルがハマるかはわからないから、軽くて万能なパトリオットでバリバリ遊びつつ自分好みのスタイルを探っていくといいと思うため。
 よくある「好きな銃でOK」「好きなマルイの電動でOK」論はある程度遊び慣れた人が言うことなので(最初の一本をマルイの電動にすることは賛成だが)、それを真に受けて見た目だけの使いづらい道具を選んでしまうことは避けた方がいいだろう。
 ただし、憧れの銃が既にあるならパトリオットにこだわらず、まずは迷わずそれをいくべき。『憧れ』は他の銃では絶対に代用が利かない性能である。好きな銃でOK論はむしろ、そういう人の背中を押すための言葉ではないか。